ドコモ、冬商戦で“弱点克服” 打倒iPhoneへメール機能改善(フジサンケイ ビジネスアイ)
[2010-08-18]
携帯電話最大手のNTTドコモが、急成長するスマートフォン(高機能携帯電話)市場でのソフトバンクモバイルの独走に歯止めをかけようと、本格的に市場攻略のカードを切り始めた。今月4日に東京・有楽町にスマートフォン専用のショールームを開設したのを手始めに、9月には既存のドコモユーザーのスマートフォン需要を取り込む“切り札”も用意し、下期の「冬モデル商戦」で新機種の大量攻勢をかける。アップル製の「iPhone(アイフォーン)」で市場を席巻するソフトバンクの牙城に、ドコモがどこまで迫れるか。勝負の行方は携帯電話市場全体の勢力図にも大きく影響しそうだ。
◆7機種一挙投入
「最大の懸念はもう消えた」。下期の市場攻勢に向けた準備に忙しいNTTドコモのスマートフォン事業推進室では、木戸博也事業企画担当部長がこう話し、冬モデル商戦に自信をみせる。木戸氏の強気の理由は、スマートフォン向けに9月から提供が始まる新ネット接続サービス「spモード」の存在だ。spモードはドコモ独自の「iモード」の携帯メールアドレスをスマートフォンでもそのまま継続利用できるようにするサービスで、ドコモの携帯電話ユーザーにとってスマートフォンへの機種変更のハードルが大きく下がる。
ドコモは4月に、アイフォーンの対抗製品として英ソニー・エリクソン製の「エクスペリア」を鳴り物入りで発売。3週間で10万台を販売し、ソフトバンクの独走にストップをかけたかにみえた。だが7月末までのエクスペリアの累計販売台数は約35万台とみられ、当初の勢いは失速している。アイフォーンでも従来契約の携帯メールアドレスを利用できるソフトバンクに対し、アドレス変更を迫られるドコモのスマートフォンを携帯ユーザーが敬遠したためだ。しかし、その弱点がspモードの導入で解消する。
ドコモはこの切り札に続き、10月以降に投入する「冬モデル」の携帯新商品で、携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」が視聴できるタイプや、タブレット型などスマートフォン7機種を一挙にラインアップし、既存契約者の買い替えニーズを含めたスマートフォン需要の一網打尽を狙っている。
◆出荷台数300万台
調査会社のMM総研によると、2010年度のスマートフォン出荷台数は前年度比28%増の300万台に拡大する見通し。アイフォーンが好調なソフトバンクは、スマートフォンのデータ通信収入の拡大で、4〜6月期の契約当たりの月間平均収入(ARPU)が携帯大手3社の中で唯一、前年同期比プラスになるなど成長市場の果実を独り占めしている。しかもソフトバンクは7月の携帯契約純増数でも、番号継続制度でドコモとKDDIの転出分の7万件超を丸ごと獲得。その中身は「アイフォーン4への乗り換えが多かった」(広報室)と、スマートフォンの成功効果は携帯電話市場全体の競争優位に及んでいる。
ただ「12年度にスマートフォン市場でシェア50%」(山田隆持社長)を狙うドコモの攻勢の成否によっては、携帯市場の勢力図は塗り変わるかもしれない。(阿部賢一郎)
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