コダック破産法申請 日本勢、事業多角化で業績好調(フジサンケイ ビジネスアイ)

[2012-01-20]
 コダックが経営破綻に追い込まれる一方で、同様に写真フィルムを中心とした商品構成だった富士フイルムホールディングス(HD)やコニカミノルタHDといったかつてのライバル企業は、比較的順調な業績をあげている。その違いはデジタル化のスピードのみならず、さらにその先を見据えた事業の多角化だった。

 「長年の競争相手で尊敬してきただけに衝撃を受けている。ただ、コアビジネス(中核事業)を失ったときに、当社は事業を多角化することでそれを乗り越えてきた」

 富士フイルムHDの古森重隆社長CEO(最高経営責任者)は19日、コダックの破産法申請を受けて、こんなコメントを発表した。同社は2000年度に売り上げの約2割を占めていた写真フィルムが、デジタルカメラの普及に伴い販売量が激減。05年度から2年間をかけて、フィルム部門の3分の1にあたる5000人を配置転換やリストラなどで削減した。

 その一方で、00年以来、約40社に6500億円を投じるM&A(企業の合併・買収)を手がけるなど攻めの経営に転換した。04年には「第2の創業」を宣言。液晶パネル用光学フィルム(TACフィルム)に始まり、化粧品、06年に参入を果たした医薬品と、次々に新規事業の扉を開いていった。コダックのような「デジタル化」よりも、さまざまな素材を知り尽くした「化学メーカー」としてその業容を拡大していった形だ。

 一方、コニカミノルタHDは06年にカメラ、写真フィルムなどのフォトイメージング事業を分離した。富士フイルムと同様にこちらもTACフィルム事業に力を注いだほか、次世代照明として期待される有機EL(エレクトロルミネッセンス)事業も育成してきた。それでも、王者コダックの動向は気にかかり、ある幹部は「写真技術を応用すればTACフィルムは作れる。いつかコダックが参入してくるのでは、と危機感を持っていた」と振り返る。

 半面、昨年2月にコニカミノルタはコダックとデジタル印刷機の世界販売での協業を発表していたが、今回の破産法申請による影響は軽微という。一方、コダック日本法人は「米国での破産法申請は日本法人は対象外で、日本のビジネスに直接影響することはない」としている。日本での売上高の75%はデジタル印刷機などの印刷関連で、デジタルカメラなどの構成比は低いという。(日野稚子)

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