国債人気、円高株安連鎖で高まる 海外発 低金利長期化の気配(フジサンケイ ビジネスアイ)
[2010-08-18]
株安、円高、長期金利低下の連鎖が止まらない。17日の東京株式市場の日経平均株価は、円高基調を嫌気して売りが優勢となり、終値は前日比34円99銭安の9161円68銭で、7月1日に付けた終値の今年最安値(9191円60銭)を更新した。円は1ドル=85円台前半で取引された。株安を手がかりに安全資産とされる国債買いが先行、この日の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは、一時、0.92%まで下げた(国債価格は上昇)。
東京株式市場は、外国為替市場での円高進行を嫌気して、製造業などの輸出関連銘柄を中心に売りが広がった。株式市場からの資金の受け皿となった国債市場では、前日の米国債相場が上昇したことも材料となり、利回りを下げた。
長期金利は4日に7年ぶりに1%を割った後もずるずると水準を下げている。欧州でくすぶる財政危機に加え、米国経済に対する先行き懸念が高まっており、安全資産とされる国債の魅力は高まるばかりだ。
過去20年間で、長期金利が1%を割り込んだ局面は1998年と2003年の2回ある。そのときは、いったん金利が下がった後に急反発しており、「国債バブルの崩壊」(金融関係者)の様相を呈した。
過去の長期金利1%割れの要因は、国内の金融危機に端を発したものだった。しかし、今回の金利低下は、海外発の要因によるところが大きい。みずほ証券の柴崎健チーフファイナンシャルアナリストは「今回の金利低下の根っこには、欧米企業の債務圧縮や資産売却の動きがあり、まだ時間はかかる」と説明する。
日本もバブル崩壊後、企業は土地など資産価値下落と収益低下に直面。負債の圧縮や、過剰な設備、雇用の調整を迫られた。リーマン・ショックによって引き起こされた「世界同時不況後の欧米企業はこれと同じ構図に悩まされていて、財務改善のために投資を圧縮している」(日銀幹部)。
企業の債務圧縮や資産の売却は、景気にとって慢性的な下押し圧力となる。こうした世界経済の悪化懸念を背景に、金融機関などの機関投資家が、国債の買い姿勢を一段と強めており、この動きはしばらく続きそうだ。
ただ、景気回復や財政悪化をきっかけに金利が急上昇(国債価格は急落)した場合、投資家は巨額の含み損を抱える恐れがある。(小島清利)
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